Sunday 6 September 2009

【Thesis】9日分の成果

ロジックの破たんあり、
誤字脱字ありと色々苦笑いですが、これが今の自分の実力だと戒める意味で載せておこうと思いますw

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目次
Ⅰ:現在の日本が抱える問題
a.労働人口の減少による生産力の低下
b.労働生産性の低迷
c.解決していくべき問題
Ⅱ:ホワイトカラーの働く理想のvision
Ⅲ:在宅勤務支援政策に対する評価
a.政府の在宅勤務促進政策
b.政府の具体的な推進事業
c.導入後のメリットと導入割合
d.テレワーク導入の現状
Ⅳ:政策提言
a.テレワークの分析と政策の方向性
b.政策目的
c.政策コンセプト
d.具体的な政策案

Ⅰ:現在の日本が抱える問題
a.労働力人口の減少による生産力の低下
現在日本は労働力人口の大幅な低下という問題に直面しようとしている。
労働力人口(正規雇用・非正規雇用を含む)は6年間で100万人減少している。
また、現状が続いた場合、生産年齢人口は2009年の8146万人(総人口に占める割合64.1%)から減少し続け、2055年には4595万人(同51.1%)になるという予想が出されている。労働力は経済発展のために最も基本になるものであり、労働力人口減少による経済力・国際競争力の低下を防ぐために、また労働力人口減少による労働者への負担増を回避するためにも、この現状に対して対策を講ずる必要性がありその解決策として現在市場に参加していない潜在労働力を市場へ参加させる必要があると考える。
 
潜在的な労働力としては、女性・高齢者・障害者が挙げられる。

まず初めに、女性に関して現在日本はHDI(人間開発指数)世界8位にも関わらず、GEM(ジェンダーエンパワメント指数)は世界54位となっており、女性の労働力を活かし切れていないことは明らかである。

この背景としては、結婚・出産で一度退職するケースが多いことが挙げられる。この問題の理由は主に、女性の負担となる育児の問題に関して、「職場の理解が得られない」・「収入の減少による家計への影響」といった理由から育休を取れない現状や(こども未来財団 2001年)、女性の育休取得率が平成16年度で70%を超えているにも関わらず、そのパートナーである男性の取得率は極めて少なく(厚生労働省 2005年)、仕事を継続しながら育児をすることが難しいということが原因だと考えられる。

次に高齢者について述べたい。60歳以上の高齢者の数は2055年までに総人口の40%になるという予測が出ている(厚生労働白書 平成20年)。しかしながら、2006年の時点で967万人の60歳以上の労働力は2030年の時点においても1000万人程度であり、横ばいであるという予測が出ている(厚生労働白書 平成20年)。この事から高齢者の雇用機会が不足していることが考えられる。またこの点について別の観点から言えば、被介護者の増加による介護人員の確保という問題が発生する。この点に関しても労働者の負担が今後ますます増加していくであろうことが伺われる。

最後に障害者の雇用に関しても、2005年時点で約350万人存在する身体障害者のうち、2003年時点では障害者雇用は約37万人に留まっているのが現状である(厚生労働省 2003・2005)。また障害者雇用推進法の施行後も障害者の雇用は進んでおらず、障害者の在職状況(法定雇用率2.1%)は国家機関で達成割合100%に対して、民間企業(法定雇用率1.8%)における達成割合は73042社中で44.9%に留まるなど、まだ障害者の雇用は完全には普及していない(厚生労働省2008)。

このような問題に対して、何かしらの政策を打つか打たないかで、図1からも分かるように労働力人口に約600万人の差が出るという予測が出ている。

b.労働生産性の低迷
 
上記の問題とは別の点で、日本の労働生産性が極めて低いという問題がある。
OECD(2007)によると、世界と比較して、日本の雇用者1人辺りの労働時間は非常に長いものとなっており、上記の図からも分かるように先進国の中では群を抜いて長いと言える。
しかしながら、その一方で日本の労働生産性は極めて低く、OECD加盟30ヵ国中20位、主要先進国7カ国中最下位となっている。加えて、2001年の国土交通省の将来のGDP推計予想に係り、労働生産性は今後も現状と大差ないという見解を示している(国土交通省 2001)。
従来、労働時間に比例して生産量も向上していくものであるが、今後日本では低い労働生産性がネックとなり生産力が低下していくと考えられる。

c.解決していくべき問題
 上記の「就業人口の不足」、「低い生産性」という2点から、日本は今後国家として生産力不足という問題を抱えることが予測される。

これは企業としては競争力の低下、労働者としては1人当たりにかかる負担の増加という点に影響していくと考えられる。
 故に生産力の確保という観点から、その阻害要因となっている高齢者・障害者の労働機会不足、女性が働きづらい労働環境、低調な労働生産性という点を政策によって解決していくことが重要だと考えられる。

Ⅱ:ホワイトカラーの働く理想のvision
私たちは国家が求めるホワイトカラーの働き方に対する理想のビジョンとして、
ホワイトカラーが多様な働き方を認められる環境の中で、高い生産性を発揮できる場が理想であると考える。

この理想を達成することで、現在労働力として活用されていない人材を積極的に市場へと参加させ労働力を確保するとともに、高い労働生産性を発揮できると考えられる。
また、その結果として国家としての生産力の低下を防ぎ、日本経済の発展を目指すものとする。

Ⅲ:在宅勤務推進政策に対する評価
a.政府の在宅勤務促進政策
政府は、基本的にテレワークを活用して行う在宅勤務を促進している。
そして、そのvisionは、仕事と育児の二者択一ではなく、多様な働き方を認めることで両者を達成できるような方法を選択できるようにし以下の点を達成することだと考えられる。

・育児や介護と仕事が両立しやすいようにすることで、女性や介護者や障害者・高齢者といった人々が自らの能力を労働市場において有効に活用できるようにする。
・テレワークにより、親が子供とふれあう機会を増やす
・少子高齢化の影響を克服し、企業活性力の向上と国際競争力を確保する
・都会のオフィスに縛られない労働環境により、地方を活性化させる
・交通負荷の軽減により、CO2排出量を削減する

b.政府の具体的な推進事業
・ テレワークに関する労務管理についての相談・助言を行うテレワーク相談センターを拡充するとともに、テレワークセミナーやテレワークシンポジウム、講習会の開催により、適切な労働条件下でのテレワークの普及促進を図る。また、在宅での就業形態による発注者とのトラブル等に対する相談援助等を実施している。
・ テレワークの推進に不可欠となる高度な情報通信ネットワークを構築することによって、社会のIT化とともに推進している(総務省)
・ 経済界・学識経済者、関係省からなるテレワーク推進フォーラムを設立。テレワークに関する情報交流や調査研究セミナーの実施などを行っている
・ テレワーク環境整備税制システム=シンクライアントシステムに対する固定資産税を3分2に減税する税制特例期間を設けていた。(平成19年4月1日~3月31日)
・ 各種調査研究事業(総務省、国土交通省、厚生労働省、経済産業省)
・ 各種実証実験事業(総務省、国土交通省、厚生労働省)
・ テレワーク試行体験プロジェクトの委託(厚生労働省)
といったものが挙げられる。

c.導入後のメリットと導入割合
導入した際に想定されるメリット及び、導入後の効果は以下のようなものになる。
導入時のメリットは政府発表の「テレワーク人口倍増アクションプラン」、導入後の効果は社団法人日本テレワーク協会の資料に準拠する。
企業の在宅勤務導入後に成果の出た効果
・約6割の労働者の業務の生産性が向上。
・約4分の1の労働者のチーム業務の生産性が向上。
・約8割の労働者の家族と過ごす時間が増加。
・約7割の労働者の育児負担が減少
・約9割の労働者が在宅業務の継続実施を希望。

社団法人日本テレワーク協会 2005年
「在宅勤務の効果について」
政策導入により得られるメリット
・少子化、高齢化問題への対応
・家族のふれあい、WLBの達成
・地域活性化の推進
・環境負荷軽減
・有能、多様な人材の確保、生産性の向上
・営業効率の向上・顧客満足度の向上
・コスト削減(オフィス)
・災害等に対する危険管理
・雇用創出
・就業労働人口減少の緩和

企業は在宅勤務導入によって一部生産性の向上などの効果を出している。また労働者という視点から見ても、家族との時間が増える、自分の時間を確保できるといった一定の効果が出ている。
しかしながら、上記のようなメリット・効果があるにも関わらず、在宅勤務は現状あまり普及をしていない。

d.テレワーク導入の現状

国家機関で見れば、厚労省・経産省・総務省・国交省がそれぞれの意向でバラバラに動いており、統一的な観点からの政策が欠けている。
また、企業という点で見てもJILPTが99社を対象に取ったアンケートによると、テレワークを実施している企業は15%のみとなっている(JILPT 2007)。
テレワークの普及拡大し、政府がその目標としている「2010年までに2005年比でテレワーク人口比率の倍増を図り、テレワーカーの就業者人口に占める割合2割」(2005年 1000万人就業者人口の15%→2010年→1295万人)の達成は困難だと言えるだろう。

普及を妨げているデメリットとして、想定されるデメリットと、実際に企業が導入をためらう理由として以下の点が挙げられる。

企業が在宅勤務に対して課題に思う点
・労働時間管理ができない
・情報セキュリティ対策に不安
・成果の評価がなされるのか不安
・長時間労働の可能性
・コミュニケーション不足
・コスト負担の増加

社団法人日本テレワーク協会 2005年

在宅業務に対する個人としてのデメリット
・長時間労働になってしまう
・コミュニケーション不足
・協働作業への障害
・メンタルヘルスの不安

上記の点から、テレワーク政策が進まないという現状が導き出される。

Ⅳ:政策提言
a.テレワークの分析と政策の方向性
まず生産性に関しては、確実に向上が期待できるものではないと考える。テレワークを導入することによって、生産性が上がったというデータも存在するが、そもそもとして、テレワークは在宅勤務の範疇をこえたモバイルワークも含み、モバイルワークの効率性を考慮すると、単純にテレワークによる在宅勤務での生産性が上がったとも認められないところもある。さらに、家庭にもさまざまな阻害要因があり、またピアプレッシャー(同僚の目)にもさらされないことで、在宅労働者が集中できない環境におかれることもあるのではないかと考える。また依然として、チームで仕事をする日本的職場にはなじまないという声も聞かれる。
部分在宅制と完全在宅制という大きな2つのものについて考えると、部分在宅制では育児・介護、雇用創出についてのテレワークのメリットが十分に達成されないのではないかと考える。なぜなら、育児・介護の負担軽減や障害者や労働者の労働市場への参加については、常に在宅状態にあることにより優位性が発揮されることから、部分在宅制では完全在宅制ほどの効果は望めないからである。
これらの我々が分析したテレワークの特性と我々が考えた問題意識、ホワイトカラーに対する理想の働き方を照らし合わせ、それらを総合して、一番の効果が得られる政策の方向性としては、テレワークによる完全在宅勤務制を用い、労働力人口を増加させることだと考える。
労働力人口を増加させる要素として、女性労働者のさらなる労働市場への参加、障害者及び高齢者の労働資源としての活用が挙げられる。
なかでも、テレワークが育児による女性の離職を防ぐことにおいて効果を発揮しているので、その部分に焦点をあてた政策を立案する。

b.政策目的
女性労働者の育児による離職を防ぐ。
それにより、労働力人口の増加を図る。

c.政策コンセプト
育児期の一定期間に仕事と育児の両立を可能とするために、完全在宅勤務制でのテレワークを推進する。
女性労働者の育児による離職を防ぐことを目的としているが、この完全在宅勤務制でのテレワークの推進の対象者は男女双方である。
これは女性のみを対象者とすると、女性が育児、男性が仕事という性的役割分業の意識をますます進めることになり、「多様な働き方を認められる」という我々が理想とするホワイトカラーの働き方のvisionの実現を阻害することになるからである。

d.具体的な政策案
 「育児期におけるテレワーク推進法」を制定する。
「育児期におけるテレワーク推進法」
・育児期間のみ完全在宅勤務によるテレワークを労働者に認めるよう、企業に促す。
・その対象は、就学前の子を持つ労働者とする。
・対象となるのは男女双方である。これは女性のみを対象者とすると、女性が育児、男性が仕事という性的役割分業の意識をますます進めることになり、「多様な働き方を認められる」という我々が理想とするホワイトカラーの働き方のビジョンの阻害要因となるからである。
・新たにテレワークを導入する企業に対して、補助金を与えることでテレワーク導入に際しての企業の負担を軽減する。中小企業に対しては大企業よりも手厚く補助金を支給し、導入に積極的な企業には重ねて補助金を支給する。

本法を成立させることによって、
・テレワーク導入の目的に対する政府のスタンスを一元化し、明確にする。
・テレワーク導入の目的を明確にすることで、企業のテレワークへの関心を増やし、一層の導入を図る。



参考文献
厚生労働省 「労働経済白書」 2007年
国土交通省 「交通需要推計検討資料」2001年
首相官邸 「テレワーク人口倍増アクションプラン」2007年
財団法人 日本生産性本部 「労働生産性の国際比較 2007年版」 2007年
独立行政法人労働政策研究・研修機構 2009年 http://www.jil.go.jp/outline/index.html

2 Comentários:

ふみ said...

こんにちわー!ふみです。
興味深い内容が読みやすくまとめられていたのでだったので、ダーッと読まさせてもらいました。

確かに、色々課題はあると思うのですがテレワークだったら鬼の通勤時間とか減らせるし、家で効率よく仕事ができたらいいですね。

今考えているのが通勤時間をなくすことでできる時間を、もっと別のところにまわせるんじゃないか、ということです。

例えば人手不足が言われている医療・福祉です。安定した収入がある仕事を持ちながら、医療(看護レベルになると思いますが)や福祉産業でも副業程度に働けたら、より効率的に人材を使えることができるんじゃないかなと、ちょっと思いました。

Yusuke said...

>おふみ
やー!
元気??

なんかねー、テレワーク政策って要するに通勤時間を削った分を他(≒仕事)に回す側面が強いんだよね。
ふみが言うように今後、福祉・医療分野は確実に人員不足で、需要と供給のバランスが今以上に崩れるから、より効率的に人材を使っていく必要があるよね。

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