Saturday 25 September 2010

【Thesis】NLPについてちょっとまとめ 25.9.2010


Nuero Linguistic Programming(神経言語プログラミング、以下NLP)は、「心理学」と「言語学」をもとに体系化された「実践的コミュニケーション心理学」である(加藤 2009)。「五感と言語による体験が脳のプログラムを作り、行動を決定している。」ということを前提に、学習の4段階プロセス(「無意識的できない」→「意識的できない」→「意識的できる」→「無意識的できる」)を経て、物事をできるようにすることを目的としている。

脳や意識にはいくつかの特性がある。その端的な特徴は脳は「想像」と「現実」の区別がつけられないという点だ。人生は無意識によってコントロールされているとも言え、ゆえに言葉の力で意識を方向付け無意識をコントロールすることには大きな効果がある。

 NLPについて考えるためには、まずコミュニケーションにおける情報のあり方について考える必要がある。まず前提としてコミュニケーションの意味は、受け取る側の反応にあることが挙げられる。そして、次に留意すべき点が3つある。

まず1点目はコミュニケーションの9割は非言語の情報であるということだ。著名なメラビアンの法則でもコミュニケーションの実験において、話の受け手側に伝わる情報は、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合という結果が出ている(Wikipedia 2010)ゆえに、コミュニケーションにおいては言語情報ではなくその他の非言語情報が主なものであることを留意する必要がある。

 次に2点目は、言葉伝える段階で変容するということだ。まず、言葉にすることで情報は「省略」されてしまう。そのため、質問で省略された情報を復元していくことがコミュニケーションでは重要となる。また、言葉は受け手によって捉え方が変わってくる。その顕著な例としてフィルタリング(歪曲)、ジェネラライズ(一般化)が挙げられる。情報が伝播する過程で歪曲されたり、一般化され、もともと保持していた意味から離れてしまうことは日常でよく見かける事象である。この点にも留意しなければならない。

 そして3点目は、言葉を相手に伝えるためには「信頼関係」が重要な因子になる。信頼関係がない相手の言葉を人は受容することはなかなか無い。逆に信頼関係がある相手の言う事に関しては、良かれ悪かれ人は従う傾向がある(例えば新興宗教の教主と信者もこの関係だと言える)。フランス語で「橋」という意味の言葉を使い、人と人と間に信頼関係の橋が渡されている状態をラポールのある状態と言う。コミュニケーションにおいて、信頼関係が重要であることも留意しておくポイントである。

 以上の点を踏まえ、何点かNLPの特徴を挙げてみたい。
 第一に特徴的なのは、NLPではコミュニケーションにおいて「優位感覚」というものを規定している点がある。上記でも記載したようにコミュニケーションの9割が非言語であり、人は五感をフル活用しながらコミュニケーションを取り合っている。そしてNLPでは五感に加えて人にはそれぞれ「優位感覚」という感覚が存在しているとしている。優位感覚には3つの種類がある。視覚(Visual)優位、聴覚(Auditory)優位、身体感覚(Kinesthetic)優位である。それぞれの頭文字をとりVAK理論とも言われる。例えば視覚優位の人は図など視覚的な要素を用いて物事を考える傾向がある、聴覚優位の人は物事を論理的に捉えることができ、自分の内面とのタイを重視しながら会話を行うなどの特徴がある。この優位感覚を考慮しながらコミュニケーションを図ることは、より効果的なコミュニケーションを行う上で重要となる。

 次にリフレーミングもNLPを特徴づける要素である。リフレーミングとは特定の行動に対して、枠組みや視点を変えて、本人にとっての意味づけを肯定的に言い換えることである。ポジティブシンキングと似ているように感じるが、ポジティブシンキングがリスクとなり得る状況や要素を半ば無視してしまうことが多いのに対して、リフレーミングは安易に問題を解決せず、枠組みを変えることを重要視する。

 リフレーミングには2つの種類がある。まず1つは状況のリフレーミングであり、これは特定の行動を起こしている環境や状況を役立つ場面へと言い換えることを目的としている。もう片方は内容のリフレーミングで、こちらは状況は変えず、本人にとっての意味づけを肯定的に言い換えることを目的としている。

 そして、脳と無意識の作用を利用したアンカリングという手法もNLPの特徴である。アンカリングには、リソース・アンカー、スタッキング・アンカー、空間アンカーなど、いくつかのアンカリング方法があるが、その目的とする所は、「情報」と「反応」を結び付け、役立たせる状態を作ることにある。例えば、大人数の前でプレゼンテーションを行う際に、特定の行動をアンカリングすることで自身の心理状態をニュートラルな状態にする、もしくは脳を活性化させプレゼンテーションに挑むなどの状況を作り出すことができる。

 以上のように、NLPには「コミュニケーション」というものを考える上で、勉強になる点が多く、またコミュニケーション以外の点でも勉強になることが多い。今後も知識のインプット・アウトプットを行っていきたいトピックの1つである。

参考文献
「手に取るようにNLPがわかる本」 加藤聖龍著 かんき出版
「自分とまわりを変える 魔法のNLP実践トレーニング」 椎名規夫 明日香出版社
Wikipedia

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