Monday 16 August 2010

【Review】【Book】ポケット図解 ピーター・ドラッカーの「事業戦略論」がわかる本

 企業にとって、究極的に言えばその目的はたった1つのことである。その目的とは「顧客の創造」だ。ドラッカーは「顧客の創造」という目的を達成するための手法としてマネジメントの必要性を唱えた。
 顧客創造のための事業戦略には大きく分けて3つのフェーズが存在する。第一に「事業についての分析と診断」。次に「事業のあるべき姿の明確化」。そして、「あるべき姿への移行策の立案」という3段階のフェーズである。事業を分析するための手法としては、業績をもたらす「製品」、「市場」、「流通チャネル」のそれぞれに対して利益貢献分析、リーダーシップ分析、製品分類分析、資源配分分析を行うことでかなり精緻な分析を行うことができる。
 また、顧客を創造するため企業にとって必要な基本機能はたったの2つである。「マーケティング」と「イノベーション」だ。前者は「自分たちの事業とは何か?」という根本的な所からスタートし、「顧客は誰か?」、「顧客はどこで買うのか?」、「顧客は何に価値を見出すのか?」という部分を明らかにし、買わないことも選択できる第3者に、喜んで自らの購買力と交換してくれるものを提供できる状態を創り出すための作業となる。
 一方、イノベーションとは「明日何をするかを決定することではなく、明日をつくるために、今日何をするべきか」を問う作業となる。ドラッカーはイノベーションを「製品のイノベーション」、「社会のイノベーション」、「管理のイノベーション」の3つに分類している。そしてイノベーションの起こすためには7つの機会を見逃してはならないとしている。7つの機会とは、「予期せぬ事の生起」、「ギャップの存在」、「ニーズの存在」、「産業構造の変化」、「人口構造の変化」、「認識の変化」、「新しい知識の出現」である。
 この7つは信頼性と確実性がともに高いものから並んでいるが、何より重要なのはこの7つの機会に含まれているすでに起こっている事象、ドラッカー曰く「すでに起こった未来」を見逃さないことだ。その作用が出るまでに時間がかかるため、今はまだ顕在化していない変化があらゆる所で起きている。大雑把に言えば新興国の台頭もその一例でだと言える。このような事象を探し出して今から対策を取ることがイノベーションを生むための道筋となる。
 では、イノベーションを生み出すためにはどのような組織が適当かという所に話を移すが、ドラッカーはイノベーション型組織の条件として、①陳腐化したものを体系的に廃棄する。②現状を分析し把握する。③どのような領域でいかなるイノベーションが必要か検討する。④計画を立てる。の4点を挙げている。
 巨大な組織はどうしても機動力が下がってくる、企業にとっても。また社会的なインフラを支えるような集団でも少数規模のイノベ―ティブな組織が今後求められてくると個人的に強く思う。

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