Sunday, 22 August 2010

【Review】【Book】「働きがい」なんて求めるな。

大人とは「尊敬」されるか、「怖がられる」か、「憧れられる」か、もしくはその全てでなければならないものだと筆者は述べている。高度経済成長期の大人達は自信に満ち、筆者の定義する大人の条件を満たしていた人が沢山いた。なぜなら当時は基本的に努力すればするだけ日々豊かになり、物質的に富んでいく時代だったからだ。しかしながら誰もが幸せになれる一億総中流的な幻想は終焉を迎えた。この先が見通せない時代においては、いち早く自分を確立した人「だけ」がその中で成功し、自信を持った大人になれる可能性がある。
 また、世間では「自然体」で生きることに対して無条件的に肯定する向きがあるが、基本的に仕事はトレーニング(練習)であり、練習とは基本的に不自然なものなのだ。例えばテニスの練習で素振りを100回も200回もすることは決して自然体とは言えない。不自然である。不自然な程練習で努力することで本番でも「自然体」で成果を出すことができる。ゆえに最悪の丸投げ環境に身を置き、練習を積み重ねることが成長への道となる。
 「成長」とは学問や何かのマニュアルのように体系だったものでは決してない。しかしながら成功のための条件とは変化の時代を泳ぎ切れる能力を成長のチャンスをものにすることである。
 そのチャンスを得るには他人に足並みを揃えている場合ではない。現在他人との心の繋がりを大切にする人が沢山いる。それはそれで大切なことだが、親子関係のような(これも現代では少し怪しいが)裏切りのない関係は基本的に存在しない。なぜなら、根本的に人の感情は変化するものだからだ。他人に永続的な心の繋がりを求めるのはただの甘えである。
 また、仕事でも人生でも優先順位を付けるべきだ。そのためには自身の信念とそれに従うルールが必要となる。
 根本原理や文化や思想といったものに全く興味を持たずに受け流して、日常の仕事に直接関係する現象だけにしか目を向けない人が多くいるが、それではいけない。リーダーはゼロベース思考とプリンシプルをもって、長期的な視点で損得を考えつつ、判断の難しい問題はできるだけ短いスパンでその損得を判断するのが理想だ。
 何よりも、この国はあまりに長く春が続きすぎたのかも知れない。国民の多くが社会に寄りかかり、誰かが何かをしてくれるのを待つという姿勢になってしまった。言うなれば一億総他人まかせの状態だ。
 今一度上記のような筆者のメッセージを踏まえて何をするべきなのか一人一人考え、行動する必要があるだろう。

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