Sunday 19 December 2010

【Review】【Book】学歴の耐えられない軽さ

就職活動時に学歴差別は確実にあると思いました。
多分ずっと同じ会社にいることはもはやスタンダートには成り得ないと思いながら自分自身のキャリアプラン的なものを描いてみました。
で、何となくそのアイデアを肯定するようなデータが多かったので、特に自分の考えが大幅にずれていることはないと思っています。
 でも、反証的なデータや意見も大切だと思うのでこの本を読んでみました。
構成としては3章構成で、第1章ではかつて機能していた新卒採用における学歴差別(著書も学歴による格差があるのは認めていると思います)がなぜ今機能不全に至っているかという点を「学歴のインフレーション」という章で説明しています。
 この章では大学側の商業的な意図による偏差値の化粧や生徒を確保するための戦略が丁寧に説明されていて面白いです。AO入試とか、センター併願入試等がなぜ導入されていったかということについてあまり考えたりしたことはなかったので新鮮。またそういう新しい制度や学部の導入が結果的に学歴のインフレーションにつながっている仕組もロジカルに説明されていて納得できました。
2章は逆に企業側から見た学歴というもので、人気企業ランキングとの兼ね合いで採用活動に学歴がどのように関連しているかを説明してくれています。まぁこの章はあまり著者の主論ではないためか、1章の3分の1位の文章量。
で、3章。おそらく筆者の最も強いメッセージかなというのはこの章。まず前提として「この時期に就職活動する学生は(大変だから)可愛そう」とか「人生の大部分を占めるであろう仕事を就職活動なるイベントの一定の短い期間に決められるか」とか、世間一般的に若者同情論が多い中で、あながちそうでもないし、むしろ日本的な企業の特性は評価できるポイントが沢山あるというのが筆者の主張。
まず、不景気で採用活動が収縮して自身が望む職や会社につとめられないのが問題だという点には、景気はだいたい4年に一度位でローテーションしており、就職活動時に不景気だった人は20代のうちにローテーション的に2回訪れる(であろう)売り手市場期に転職をする手段があることを述べています。またデータとして、今の若者は3年以内で3割止めると言われているけど、実際のところそれはかなり昔からそうだということ。そして、今になっては29歳での転職経験率はゆうに5割を超えていて転職はあたり前なのだという3点を述べています。
 そしてちょっと矛盾するようだけれど、日本の企業は世界的に見ても稀な総合職制度を取っているため、同一の企業で(職種的に)再チャレンジ可能な場が用意されていることも述べてまいす。
 まぁ本当にこの先日本の景気良くなるのかとい疑問点や、総合職のメリットが活きるのは一部の超大手な気もしますが、ひとつの意見として面白い本でした。結局自分のアイデアを固めるよな内容であったような気もしますが・・・笑 ま、いっか。

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