【Review】【Book】ソラニン
マンガの主人公たちが年齢的に、シチュエーション的に自分と被っていること。
このマンガが出された2006年が93~05の所謂「就職氷河期」と近い時期のものだからか、
何となく未来に対する曖昧な不安を作中から感じられた。
いや、未来に対する不安なんていつもあるんだけど、
若者にとっては上記の氷河期や今みたいな時期はますます未来対して不安になるもんだと思う。
この作品はそんな漠然とした不安を抱えたまま生きる人たちの心理を上手く捉えていて、
ふとした所に書いてあるモノローグや科白にハッとさせられる。
他人と比べないと自分が分からないというのは悲しい。
とはいえ自分で自分を全肯定できるほど自信もない。
というモノローグは、沢山の人がそう思っていることだと思う。
自由を求めた行動の結果として不自由になるものもあれば、
不自由だと思っていたことが、実はとても自由だったなんてことは、
よくあること。
確定された未来なんてないし、
自由きままに生きることが幸せかと言われれば、そうでもない。
だらだら過ごしていても確実に時間だけは流れて行く。
でも、それはそれでいいんじゃないかと思うし、
忙しくカツカツ働いて、心を殺してまで生きる意味って果たしてなんなんでしょう。
色んなことを内省させられる作品。
映画も見に行ってみたい。
Seja o primeiro a comentar
Post a Comment