【Thesis】ワーキングプアについて
政策立案コンテストのGEILとビジネスコンテストのKINGで迷っていましたが、自分の適性という意味と知識量で追いつける余地のある可能性が高いという理由からGEILに応募しました。受かるといいなぁ。。。
課題はblogの文章(http://www.geil.jp/geil-event-data.html)を読んで、それに対して考察を書くというもの。
要するに現状の派遣社員をはじめとした非正規雇用者や、それにともなうワーキングプアの問題についてどう思うかというもの。
以下な感じで書きました。
ブログの文章を読んだ感想として、私は様々な問題が背景として存在していると感じたが、ここではその中でも若年労働者にとって歴然とした学歴社会が存在している事、また学歴によって正規雇用からはじかれた人間の多くが非正規雇用者となり、その中から数多くのワーキングプア(※以下WP)(ここでは所定内給与で年収200万円未満の人間と定義する)が発生している現状を問題として取り上げたい。
WPは年々増え続けており、2006年の時点で1000万人を超えている。そして、その中の多くが非正規雇用者であり、なお且つその非正規雇用者の約6割が15歳~34歳の若年労働者という数字が出ている(門倉 2006)。
また、非正規雇用者の中でアルバイトやパートの約9割がWPなのに加えて、派遣社員で46.2%、契約社員・嘱託で42.4%がWPに該当するという数字も出ている(門倉 20006)。
アルバイトやパートには学生やある程度収入のある主婦がその数の中に含まれている事が考えられるので、ここでは非正規雇用者の現状を示す指標として派遣労働者に焦点を当ててみる。増田(2006)によると、派遣労働者は約230万人存在していると言われるが、その中の年齢層は20~34歳で60%を占めていて、なお且つ学歴に関しては大学以上が25%程度なのに対して、中卒・高卒・高専・短大卒等で残りの75%を占めている(増田 2009)。また、渡辺(2009)は派遣労働者の4割~5割の人間が所定内給与200万円以下の生活水準にあると指摘している。
この事実から、学歴社会によって弾かれた若年の非正規雇用者が数多く存在し、その多くが非常に厳しい生活を強いられているという事が言えるだろう。
収入という面でみた時、現状では一度非正規雇用者となった人間が正規雇用になることは難しいとされているが、非正規雇用であり続ける場合と、正規雇用であり続ける場合、生涯年収で約5倍程度の差が出るといわれている(門倉 2006)。また、年収が低いということは住宅等の環境や自分自身の勉学・スキルアップに投資できる金額が少ないという事態に繋がり、その事実がより一層WPの立場を苦しくしていると考えられる。
この問題を取り上げたのは、この現状が続くことで、犯罪件数の上昇や、少子化の助長、また格差社会(富裕層の子供は富裕層に、WPの子はWPに)の促進といった諸問題へと波及していく事が明らかであり、長い目で見れば、日本の国力の低下や社会環境の悪化といった問題へと繋がっていくと考えたからである。
若年労働者にとって歴然とした学歴社会が存在し、学歴によって非正規雇用者になった人間が苦しい現状にあるという事実は数ある問題の中の1つに過ぎないが、そこから波及し予測される事象は極めて重いものであることを心に留めるべきであろう。
【1108文字】
参考文献
「派遣のウラの真実」 渡辺雅紀 2009年 宝島社新書
「ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る」 門倉貴史 2006年 宝島新書
「今日、派遣をクビになった」 増田明利 2009年 彩図社
倍率2倍程度みたいですが、どうぞ、受かってますようーに。
1 Comentário:
「派遣のウラの真実」著者の渡辺雅紀です。本を参考にしていただき、本当に有難うございます。
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